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羞恥診察1

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山田は皮膚科の診察受付終了10分前に滑り込んだ。

薄汚れた作業着、ヘルメットでペタンコになった髪、日焼けした肌、そして鍛えられた肉体、どこからどう見ても土木工事の作業員(土方)だ。

作業着はパツパツで、パンツがケツに食い込みもともと大きなケツがさらに大きく見え、股間部分は窮屈そうになんとか収まり、全身の筋肉が作業着を破らんとばかりに盛り上がっている。

工事現場の作業中に通行人から好色な視線を向けられたり、同僚からオナネタにされていたり、街中ですれ違ったサラリーマンに股間を凝視されたりしていることに、本人は気付いていない。無防備なノンケ、この言葉がピッタリくるタイプだ。

受付で問診票を受取り、狭い待合室のソファーに座って面倒臭そうに記入を始めた。


名前:山田和久(やましたかずひさ)
年齢:33歳
身長:176cm
体重:77kg
職業:鳶職
受診目的:肌の痒み


「面倒臭ぇな…」


山田はチッと舌打ちをしながら問診票を書き進める。飲酒は…毎日、喫煙は一日20本、現在服用中の薬は無しと。


「家族に癌を患ったものがいるかだと?」


こんなことまで書くのかよ…面倒臭ぇ…とブツブツ文句を言いながら問診票を完成させて受付に提出した。20分程待たされた後、山田の名前が呼ばれた。

待合室には親子(父親はスーツ姿の40代前半、息子は小〇校高学年)だけになっている。


「山田さん、お待たせしました診察室へお入りください」


返事もせずに不機嫌そうに立ち上がった山田を、若い男性看護師は気にすることなく爽やかな笑顔で診察室へ案内した。診察室へ入ると医師の川村が「お待たせしました。どうぞお掛けください」とこれまた爽やかな笑顔で迎えた。


「山田和久さんですね」
「お、おぉ」


川村は心の中で呟いた。


あぁ!
やっぱりそうだ…

問診票の名前と年齢を見てひょっとしてと思ったが、ぶっきら棒な返事の仕方と鋭い目を見て確信した。俺の目の前に座る山田和久は、中学の同級生、そして俺をイジメた不良グループのリーダーだった奴だ。高校へは進学せずに、というか進学出来なかったと風の噂で聞いていたが、まさかこんな形で再会するとは…


川村は動揺しつつも医者として患者に接する態度を崩さない。


「痒みがあるそうですが?」
「頭と体が痒くて夜眠れなくてよ」


敬語すら話せないのか、相変わらずガサツな奴だ…
俺のことは覚えていないようだ。


「今の時期は乾燥してますからね」


川村は山田の髪の毛をかきわけながら頭皮の様子を見る。続いて顔、腕、作業ズボンの裾を膝まで上げて足首を一通り診察した。


「軽いアトピーの症状が出てますね」
「ふ~ん」

「お風呂で体を洗うときはタオルを使わないで手で洗うようにするといいですよ。とくに石鹸は局部と脇の下だけにつかって他のところには使わないようにしてみてください」

「分かったよ」


聞いているのか聞いてないか分からない返事にイラッとしつつも川村は「他に気になることはございませんか?」と表情を崩すことなく聞いた。目を伏せがちに「肛門と乳首も痛痒いときがあるな」と答えた。


「痔をもっておられますか?」
「いや、ないよ」

「分かりました。まず乳首を診ますので上半身裸になってください」


脱衣する山田を横目にしながら診察室と入口の間にあるカーテンを引いた。院内は診察室と待合室の距離が近く、さらに診察室の出入り口は車椅子でも通れるように引き戸で広めに作ったのはいいが、看護師が出入りするたびに診察室内が待合室から丸見えになってしまう。その為、患者が服を脱ぐときはカーテンを引いて、患者のプライバシーが守れるようにしている。


「脱いだ服は横のカゴにいれてください」
「…」


無言のまま山田は服をカゴに放り投げた。

上半身裸になった山田の体は見事な筋肉に覆われ浅黒く日焼けし、肩には5cm四方の刺青がほどこされていた。意外に体毛は薄いようで胸毛は無く乳首には毛が1本も生えていない。


(結構腫れてるな…相当痛いのでは…)


川村は乳首を触診するが、触診するまでもなくこれは傷口から雑菌が入ったために腫れているものと分かった…それにしても汗臭い男だ。


「腫れていますねぇ、たしかに」
「塗り薬でもくれよ」

「腫れた原因に心当たりはありますか?」
「ん…いや…わからねぇ…なぁ」


山田は曖昧な返事をした。


性感帯と呼ばれる一般的な部位、乳首、クリトリス、ペニス、睾丸、肛門部位の皮膚異常は高い確率で性交渉が原因であることが多い。

今回の山田の乳首の腫れは傷口から雑菌がはいった為に引き起こされた症状であるが、普通に生活する上で乳首に傷がつくことはない。と言うことは、これは性交渉時に激しく抓られたり引っ掻かれたために傷がつきそこから雑菌が侵入した可能性が高いと言える。

もうひとつの可能性として、不慮の外部的衝撃で乳首に傷がつきそこから雑菌が侵入した可能性もありうるが、不慮の外部的衝撃、たとえば猫に引っ掻かれたとか車の事故、そういったものは乳輪内外に傷が見受けられるが、山田の場合は乳輪内と乳首に薄い傷が無数にあることが確認できるのみで乳輪外には傷一つない。川村は腫れの原因は意図的に刺激を与えた為に傷がつきそこから雑菌が入ったと確信した。

乳首を触診していると、山田の表情が羞恥に満ち、顔が赤くなり、鼻息が荒くなってきた。


こいつ乳首モロ感だな…
面白いことになってきたぜ…


川村は心の中でニヤリと笑い触診を続ける。


乱奴


「この腫れは気になりますね…う~ん」


コリコリに突起した乳首は、左右とも同じ刺激を与えられたのだろう、同じように腫れ上がっている。両乳首を同時につねっている。山田は目を閉じ表情を変えないが何かを必死に耐えているのが分かる。


「腫れの原因が分かると適切なお薬を出しできるので、後でもう少し詳しく診察をさせていただきます。次は太腿を診ますのでズボンを脱いで横のカゴに入れてください」


乳首の診察が終わってホッとした表情を浮かべ、ズボンを脱ぎ、無造作にカゴに投げ入れた。汚れたローライズボクサー。股間部分は黄色く変色し、ウエストゴムは擦り切れてボロボロ。

下半身も上半身と同様毛が薄い。筋肉に覆われた太い太腿は、やはり仕事で筋肉を酷使しているからだろう、ジムで鍛えた筋肉とは違った野性的なものを感じる。

椅子に座ろうとしたので、そのまま立ったままでいるようにお願いし、太腿を触診する。目の前の半勃ち状態の股間から汗と小便の混ざったムッとする臭いが鼻腔を通り抜ける。


「太腿も少し赤くなってますね」
「…」

「太腿は乾燥が原因で赤くなってるだけですね。少しアトピーの症状もありますので塗り薬をお出ししますね。どうぞお座りください」


下着一枚の姿で座った山田の乳首を再び触診する川村。


「う~ん、体は乾燥が原因なのですが乳首の腫れの原因が分からないですねぇ…何だろう?湿疹でもないし…この腫れは気になりますねぇ…」


川村はワザとらしく独り言をつぶやきながら乳首の触診を続ける。ピンと上向きに腫れあがった女のような乳首を人差し指と親指で軽くつまむと、山田は口を真一文字に硬く閉じ、いまにでも喘ぎ声を上げそうな表情をしている。その表情を見ながら川村は痛快な気分になり笑い出したいのを必死に堪えた。


へへへ、山田のチンポがさらに大きくなってるぜ…
なかなか立派なもんもってるじゃん(笑)
乳首モロ感ねぇ、あの山田が…


川村は、患者として目の前に現れた山田を見て思い出してたくもない中学時代に受けたイジメを鮮明に思い出していた…

つづく
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